住宅ローンには「公的ローン」と「民間ローン」に大別されています。
そして、種類によって金利タイプ・借入限度・借り入れ条件等が違います。
公的ローンは、住宅金融公庫・財形貯蓄をしているサラリーマンを対象として扱う、財形住宅融資・各自治体が窓口となっている自治体融資があります。
民間ローンとは金利が低く、諸経費も安くすみます。
しかし、公的から公的、民間から公的への借換えができません。民間住宅ローンには、銀行・信用金庫・農協等が取り扱っているものです。固定金利、変動金利等を組み合わせたものがあり、商品の種類が豊富です。しかも、借り換えも可能になってきます。
そして、ご自分の返済プランにあったローンを組んでいただくのですが、ポイントとしては、"借りられる金額"ではなく"返せる金額"でローンを組んで行ってください。融資とは基準を満たしているかで決まりますが、この基準を満たす事と滞りなく返済が出来るかは同じではありません。ましてや、これから色々な保有税がありますので、それも考慮に入れないといけません。
そして、ローンの金利は固定金利と変動金利に分けられますが、金利が長期的にあがると思われる方は、期間の長い固定金利を選びます。しかし、同じ固定金利でも公庫では申し込み時点の金利ですが、民間ローンでは融資実行時の金利が適用されます。なので、低金利で借りいれたとしても、入居前に金利が上がる場合もありますので、資金計画に支障が生じる事もあります。
多くの方から「固定金利と変動金利って、どっちの方がお得なの?」と聞かれるのですが、
結論から言うと、この2つにお得、お得じゃない、ということはなく、
現在の環境とお客様の返済の仕方によって、どちらの方が得なのかが決まるのです。
では、この2種類の金利には、どのような特徴があるのでしょうか。
<固定金利>
その名の通り、金利(利子)が固定された住宅ローンの組み方です。
なので、借りたときから返し終わるまで同じ金利(利子)で返済できます。
住宅ローンの最初の返済が金利(利子)1.5%だとすると、最後まで1.5%での返済です。
(細かい部分は諸々ありますが)ザックリ言うと、月々の返済を8万円としたら、
完済するまでずっと8万円、というように設定できるのです。
そのため、最も大きなメリットとしては、将来のライフプランを計画する際に、
月々の返済(支出)が固定であるため、計画を立てやすい、ということが挙げられます。
<変動金利>
金利の固定された固定金利に対し、金利(利子)が変更になる可能性のある
住宅ローンの組み方です。
半年に一度金利が見直されます(見直された結果、変更が無い場合もあります)。
住宅ローンの最初の返済が金利(利子)1.5%であったとしても、
返済期間の途中で金利(利子)が1.5%より低くなることもあれば、
高くなることもあるのです。
そのため、例えば、借り入れ当初の月々の返済が8万円だったとしても、
途中で7万円になる可能性も、10万円になってしまう可能性もあるのです。
ここだけ見ると、固定金利の方が安心に感じるかもしれませんが、
基本的に、同じ月に借り入れる場合、
変動金利の方が固定金利よりも金利(利子)が低いというメリットがあります。
例えば、2000万円を、以下の3パターンの条件で、20年ローンで借り入れた場合の
シュミレーションを考えてみます。
<1>金利2.0%の固定金利
<2>金利1.5%の変動金利で5年ごとに金利が0.2%ダウン
<3>金利1.5%の変動金利で5年ごとに金利が0.7%アップ
これらの場合、月々の返済額と総返済額(利子を含めた金額)がどうなるかというと、、、
<1>月々約101,000円の返済 ⇒ 合計約2428万円の総返済額
<2>1~5年目は月々約96,000円の返済・・・(中略)
・・・16~20年目は月々約93,000円の返済 ⇒ 合計約2280万円の総返済額
<3>1~5年目は月々約96,000円の返済・・・(中略)
・・・16~20年目は月々約107,000円の返済 ⇒ 合計約2459万円の総返済額
こんなイメージです。
これだけだと一見、変動金利の方が<2>のパターンがあるため
お得に見えるかもしれません。
しかし、ここ10年以上は超低金利の時代と言われているものの、
20年前は今より1.5~2.5%程度、30年ほど前になると5%も金利が高かったのです。
今の超低金利な状況が、この先もずっと続くのであれば変動金利の方が
お得かもしれませんが、住宅ローンは多くの方が20年30年、それ以上の期間をかけて
返済していくものです。
私たちがお客様と住宅ローンの相談をする際には、お客様のライフスタイルに合った
返済期間や現在の金利動向などを踏まえて、最も適した金利のパターンを
お話しさせて頂いています